タイを旅していると、お寺の門前や交差点、市場の一角で、白いジャスミンを輪にした小さな花飾りを売る人をよく見かけます。
これがプアンマーライ(タイ語:พวงมาลัย)です。
「何に使うの?」
「どうしてタクシーのミラーに掛かっているの?」
「日本で飾っても大丈夫?」
——タイ旅行やタイドラマでマーライを見かけた方から、こんな質問をいただくことがあります。
この記事では、タイ語の資料をもとに、プアンマーライの意味・種類・使われる場面と、日本の暮らしでの飾り方まで、タイ雑貨店の目線でわかりやすく解説します!
プアンマーライとは?
プアンマーライは、ジャスミン(マリ)などの花を糸でつないで作る、タイ伝統の花飾りです。「プアン(พวง)」は房・ひとまとまり、「マーライ(มาลัย)」は花輪を意味し、タイでは単に「マーライ」とも呼ばれます。
仏様やお寺へのお供え、家の祠への捧げもの、客人を迎えるおもてなし、感謝や敬意を伝える贈り物として、タイの暮らしのあらゆる場面で使われています。
タイのマーライ作りは、生花で装飾を作る「ドークマイソット(ดอกไม้สด)」と呼ばれる伝統工芸のひとつで、学校の授業で作り方を習うほど身近な存在です。

プアンマーライの種類は?
マーライには、形や使う場面によっていくつかの種類があります。代表的なものを紹介します。
マーライ・チャーイディアオ(มาลัยชายเดียว)
丸い輪の下に、「ウバ(อุบะ)」と呼ばれる房が1本下がった形です。手首に掛けられることから「マーライ・コームー(มาลัยข้อมือ/手首のマーライ)」とも呼ばれます。仏様へのお供えや、場所の飾り付けに使われる、もっとも身近なマーライです。
マーライ・ソーンチャーイ(มาลัยสองชาย)
2本の花の帯をリボンでつなぎ、両端に房を付けた、首に掛ける大きなマーライです。結婚式では新郎新婦が掛ける「マーライ・バーオサーオ(มาลัยบ่าวสาว)」として使われます。
マーライ・チャムワイ(มาลัยชำร่วย)
結婚式などで、来てくれたお客様へのお礼として配る小さなマーライです。
タイではどんな場面でプアンマーライを使う?
お寺・仏像へのお供え
マーライのいちばんの役目は、仏様へのお供えです。お寺の近くにはマーライを売るお店が並び、仏日(ワンプラ)には交差点で信号待ちの車に売り歩く人も見かけます。
家の祠(サーンプラプーム)へのお参り
タイの家や会社の敷地には、土地の守り神を祀る祠「サーンプラプーム(ศาลพระภูมิ)」があります。ここには、鮮やかなオレンジ色のマリーゴールド(ダーオルアン)のマーライをお供えするのが定番です。
車のお守り
タクシーやトラックのルームミラーに、マーライが掛かっているのを見たことはありませんか? タイでは、乗り物には守り神「メーヤーナーン(แม่ย่านาง)」が宿ると考えられています。マーライを掛けて旅の安全を願い、船の舳先(へさき)にもマーライを結ぶ習慣があります。
母の日(8月12日)の贈り物
タイの母の日は8月12日。白いジャスミンは母の日のシンボルの花で、子どもたちがジャスミンのマーライを母親に贈り、手を合わせて感謝を伝えます。
おもてなし・お祝い
空港やホテルでのお出迎え、卒業式やお祝いの席、尊敬する人へのごあいさつなど、「ようこそ」「ありがとう」「おめでとう」の気持ちを伝えるときにもマーライが贈られます。
生花のプアンマーライは日本に持ち帰れる?
生花のマーライは植物検疫の対象で、持ち帰るには空港の植物検疫カウンターでの検査が必要です。そもそもジャスミンの花は1〜2日でしおれてしまうので、お土産として持ち帰るのは現実的ではありません。
タイでも生花のマーライは「その日の祈り」のためのもの。花が開き、しおれていく姿そのものに、始まりと終わりを受け入れる意味が込められているともいわれます。
一方で、リボンやビーズで作った「枯れないマーライ」もタイで作られていて、インテリアや車の飾りとして長く楽しまれています。
枯れないビーズのプアンマーライ
タイファン!では、花びらのビーズを重ねて作られた、タイ製のビーズのマーライ「クリスタルマーライ」を入荷しました♪
形は、丸い輪の下に房が下がる、マーライ・チャーイディアオと同じ伝統的なスタイル。光を通す花びらビーズなので、窓辺に掛けると日差しを受けてきらきらと輝きます。
カラーは、白から水色へのグラデーションが爽やかな水色、マリーゴールドを思わせるイエロー、いろいろな色の花びらを混ぜたパステルピンクの3色。
インテリアとしても可愛いプアンマーライをぜひお手元に♪
クリスタルマーライ|ビーズのプアンマーライ(タイの花飾り)全3色
ビーズのプアンマーライはどこに飾ればいい?
タイの方の飾り方を参考に、日本の暮らしで取り入れやすい飾り方を紹介します。
・仏壇や神棚、タイのお土産の仏像のそばに:タイ本来の使い方にいちばん近い飾り方です。
・窓辺やカーテンレールに:花びらビーズが光を通して、いちばんきれいに見える場所です。
・車のルームミラーに:タイ流の交通安全のお守りに。運転の妨げにならないよう、視界をさえぎらない位置に飾ってください。
・玄関やデスクまわりに:お客様を迎える場所に飾れば、タイのおもてなしの心にもぴったりです。
贈り物にする場合は、タイの母の日にちなんで母の日に、また敬老の日や、タイ好きの方へのお礼のプレゼントにもおすすめです。
まとめ
プアンマーライは、ただの「きれいな花飾り」ではありません。
仏様への祈り、土地や乗り物の守り神への感謝、母親への「ありがとう」——タイの人々の祈りと感謝の気持ちを、花に託して形にしたものです。
タイでマーライを見かけたときに、そして枯れないマーライを日本の暮らしに飾るときに、この記事が込められた意味を感じるきっかけになれば嬉しいです。
参考資料
本記事の作成にあたり、以下の資料を参照しました。
・TruePlookpanya「สร้างสรรค์งานสวยด้วยเอกลักษณ์ไทย」https://www.trueplookpanya.com/learning/detail/30938
・พีรติ จึงประกอบ「แนวทางการสร้างสรรค์งานออกแบบสัญลักษณ์ความเชื่อความศรัทธาแห่งพวงมาลัยไทย」วารสารศิลปศาสตร์ มหาวิทยาลัยอุบลราชธานี 14(2), 2018 https://so03.tci-thaijo.org/index.php/jla_ubu/article/view/242336
・PPTV「ทำไมวันแม่ต้องเป็น "ดอกมะลิ"」https://www.pptvhd36.com/news/%E0%B9%84%E0%B8%A5%E0%B8%9F%E0%B9%8C%E0%B8%AA%E0%B9%84%E0%B8%95%E0%B8%A5%E0%B9%8C/280862
・Thailex「phuang malai (พวงมาลัย)」https://thailex.info/THAILEX/THAILEXENG/LEXICON/Lexicon%20-%20puang%20malai%20(%E0%B8%9E%E0%B8%A7%E0%B8%87%E0%B8%A1%E0%B8%B2%E0%B8%A5%E0%B8%B1%E0%B8%A2).htm